2024/09/16 14:21
みなさん、食卓塩やアジシオなどの精製塩は、さすがにもう使っていませんよね?
日本のスーパーで流通している塩のほとんどは精製塩です。
では、なぜ日本では精製塩が主流なのかを紹介いたします。
日本には海外のような岩塩鉱山や塩湖がなく、塩を直接採掘することはできません。
そのため、海水から塩を作る方法が主流ですが、これは非常に手間とコストがかかります。
国内の塩生産量は年間約100万トンであるのに対し、消費量は約800万トン(家庭用、工業用、食品加工用などを含む)。
塩はわたしたちの生命維持や工業に欠かせない。
そのため政府は塩の安定供給を確保するため、以下のような政策を実施してきました。
- 1904〜1905年の日露戦争を契機に、製塩業者に対して効率的な製塩方法を指導。
- 1952年に、輸入塩に炭酸マグネシウムを加えた「食卓塩」が全国に普及。
- 1971年には、塩化ナトリウムのみを含む塩しか生産してはならないという法律が制定されました。
1997年の専売制度終了まで、ほとんどの人々は塩化ナトリウムだけの精製塩を使用せざるを得ない状況が続きましたが、現在では国内での塩生産や岩塩の輸入が可能となり、選択肢が増えています。
それでも、精製塩はいまだに多く流通し、醤油や味噌などの調味料、レトルトなど加工食品にさえも使用されています。
どのような塩を使って、そのものが作られているのか。
その背景もしっかりと理解した上で購入したいですね。
しかし、スーパーなどに並ぶ塩は「天然」や「自然」といった表現が規制されているため、精製塩と天然塩の区別がむずかしいのです。
パッケージで確認すべきポイントは製造工程と塩化ナトリウムの含有量。
製造工程で見分ける方法:
- 天然塩:再生自然塩、平窯、天日、粉砕
- 精製塩:イオン膜、立窯、乾燥、溶解
製造工程のキーワードを確認することで、精製塩と天然塩を簡単に区別できます。
また、「塩化ナトリウム」または「食塩相当量」が99%以上と記載されている場合、精製塩の可能性が高いです。
ただし、天然塩でも高い塩化ナトリウム含有量のものがあるため注意が必要。
ナトリウムと記載されている場合は、「ナトリウム × 2.54 = 塩化ナトリウム」で換算できます。
精製塩は一般的に「化学塩」とも呼ばれますが、塩化ナトリウム自体は天然物質です。
ナトリウムはからだに必要なミネラルですが、精製塩がからだに悪いとされる理由は主に以下の3つ。
1. 主要なミネラルが除去されている:
天然塩にはカルシウム、ヨウ素、マグネシウム、カリウム、鉄などのミネラルが含まれますが、精製塩ではこれらが不自然に取り除かれ、約99.8%が塩化ナトリウムになる。
これにより、高血圧や骨粗鬆症のリスクが高まる。
2. 過剰摂取の問題:
現代人は加工食品から多くのナトリウムを摂取しがちで、成人の推奨ナトリウム摂取量(1日1.6g、塩分4g)を超えることが多い。
ナトリウムの過剰摂取は血圧上昇や腎臓への負担、骨密度の低下を引き起こす可能性あり。
3. 化学的加工プロセスの影響:
精製塩は硫酸や塩素で洗浄され、高温で乾燥されるため、塩の自然な化学構造が変化。
また、固結防止剤や漂白剤が添加され、塩本来の成分が失われることも。
精製塩は簡単に安価で大量生産できるため、依然として多くの食品に使われていますが、塩選びには注意が必要ですね。
を選ぶ際は、天然塩、真っ白でない、手作り、地元産がポイントです。
日本人には、日本で作られた地元の塩が最適。
わたしはにがりを作ってくれている小野さんの「手塩」を愛用しています。
手軽に手に入りやすいのは、海の精の「あらしお」おすすめです。
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塩化ナトリウムではなく塩化マグネシウム。